子どもが生まれて3ヶ月時点で、FIRE計画を「定期点検」してみた
子どもが生まれる前、僕はこのブログで、「生活の選択が子ども基準になってきた」と書きました。
あれから子どもは生後3ヶ月を過ぎ、生活はすっかり子ども中心になりました。
「父になっても自由でありたい」という葛藤は相変わらずあります。
ただ、今回は自由や生き方の哲学ではなく、もう少し実務的な話です。
子どもが生まれた後のFIRE計画を、いったん定期点検してみました。
車に車検があるように、FIRE計画にも定期的な点検が必要だと思っています。
収入や支出だけでなく、家族構成、働き方、住居、健康状態など、前提条件は少しずつ変わります。
特に出産は、人生でも指折りの大きなライフイベントです。
先に結論を言うと、今回点検してわかったのは、
生後3ヶ月では、点検できる項目と、まだ点検できない項目がある
ということでした。
点検①:出産費用――想像していたより、かからなかった
まずは、出産そのものにかかったお金です。
僕たちの場合、出産費用は出産育児一時金でほぼ賄えました。
出産育児一時金は、2023年4月から原則50万円に引き上げられています。
実際に追加で支払った主な費用は、個室代でした。
「個室は贅沢では?」
と思う方もいるかもしれません。
ただ、これは払ってよかったお金だったと思っています。
妻は別の機会に産後ケアで4人部屋に入ったことがあるのですが、周囲が気になって全く落ち着けず、「もう帰ろうかな」と思ったくらいだったそうです笑。
出産後の身体で、周りを気にせず休めること。
これは単なる部屋のグレードアップではなく、回復するための環境にお金を払ったのだと思っています。
以前の記事で、
「買う理由が値段なら、やめておく」
と書きました。
今回の個室代はその逆で、値段以外に支払う理由がはっきりしていた出費でした。
点検②:生後3ヶ月の育児費――月々より、単発の特別費
次に、生後3ヶ月までにかかった育児費を振り返ってみました。
月々の支出は、今のところ意外と少ない
定期的にかかっているのは、主におむつとおしりふきです。
ざっくり月に数千円程度です。
服やスタイなどは、幸い多くの方から出産祝いとしていただきました。
自分たちで購入したのは、ユニクロの薄手の服を数枚くらいです。
また、現在は完全母乳なので、ミルク代はかかっていません。
金銭面では助かっています笑。
ただし、これは妻の身体的・時間的な負担によって成り立っているものでもあります。
単純に「ミルク代が浮いて得をした」という話ではありません。
夜間の授乳を含めて妻の負担は大きいため、家計だけを見て評価するものでもないと思っています。
単発の「特別費」は増えた
一方で、毎月ではないものの、まとまってかかった費用もあります。
- 出産時の個室代
- 出産祝いへの内祝い
- お食い初め
- 記念写真とアルバム
お食い初めの際には、プロのカメラマンに撮影をお願いし、アルバムなども含めて10万円ほどかかりました笑。
なかなかの金額です。
ただ、妻や子どもの写真をきれいに残せたので、今のところ後悔はありません。
今後も写真を見返すことを考えれば、「思い出の配当」を受け取れる出費になるかもしれません。
その一方で、子どもが生まれてから旅行の回数は減っています。
育児関連の特別費は増えましたが、旅行に使っていた特別費は減りました。
家計全体で見ると、特別費が一方的に増えたというより、使い道が入れ替わったという感覚に近いです。
児童手当は、かなりありがたい
児童手当は、3歳未満では第1子・第2子について月額1万5,000円、3歳以上から高校生年代までは月額1万円です。
2024年10月の制度改正で所得制限が撤廃され、支給期間も高校生年代まで延長されました。
正直に書くと、医師家庭である僕たちは、以前の制度であれば所得制限の影響を受けていた側です。
そのため、制度改正の恩恵をしっかり受けています。
ありがたく受け取っています笑。
現在の制度がそのまま続くと仮定して単純計算すると、第1子・第2子では高校卒業年代までに合計約234万円になります。
出生月などで実際の受給月数は多少変わりますし、今後制度が変更される可能性もあります。
それでも、家計への影響は決して小さくありません。
使い道について、
「教育費として別管理しているのですか?」
と聞かれるかもしれません。
僕は、基本的にはお金に色をつけない派です。
児童手当だけを別口座に分けて、「これは教育費にしか使わない」と管理しているわけではありません。
児童手当も給与も配当も、いったん家計全体の資産として考えています。
点検③:家計と投資――方針は変えない。ただし要観察
出産前後で、投資の基本方針は変えていません。
僕の家計は、
- 毎月一定額を投資に回す
- 残ったお金で生活する
- さらに余ったお金を現金として貯める
という順番です。
先取り投資を先に固定しているので、育児費用が増えても、投資額が自動的に減る仕組みにはなっていません。
……と偉そうに書いていますが、最近は3番目の「さらに余ったお金」がほとんど出ていません笑。
家計の生活収支そのものは黒字です。
ただ、投資額まで含めて見ると、現金残高は少しずつ減っています。
投資は単なる消費ではなく、現金を投資信託などの資産に変えているだけです。
そのため「赤字」と表現するのは正確ではありません。
それでも、自由に使える現金が減っていることは事実です。
この状態が一時的なものなら、大きな問題ではないと思っています。
ただ、何ヶ月も続くようであれば、
- 投資額が今の家計に対して大きすぎないか
- 特別費を月割りで見積もれているか
- 維持したい現金残高の下限はいくらか
を見直す必要があります。
したがって今回の点検結果は、
投資方針は変更なし。ただし、現金残高は要観察
です。
学資保険には、現時点では入らない
教育資金の準備といえば、学資保険を思い浮かべる方も多いと思います。
僕たちは、現時点では学資保険に入る予定はありません。
理由は、単に「利回りが低いから」だけではありません。
僕たちの場合は、
- 強制的な貯蓄の仕組みを必要としていない
- 途中で使い道を変えられる流動性を重視したい
- 長期的にはインデックス投資の期待リターンを利用したい
- 必要な保障は貯蓄と別の保険で考えたい
という理由があります。
教育資金も、家計全体の資産形成の中で準備する方針です。
ただし、教育費は必要になる時期がおおむね決まっています。
大学入学の直前に相場が大きく下落する可能性もあります。
そのため、必要になる時期が近づいてきたら、教育費として使う予定の金額を徐々に現金や値動きの小さい資産へ移していく必要があると思っています。
18年間ずっと株式へ全額投資し、大学入学直前までそのままにする、という意味ではありません。
もちろん、各家庭の収入、貯蓄習慣、保障の必要性、リスク許容度によって適した方法は違います。
僕は以前、無料FP相談で貯蓄型保険を契約し、後から解約した経験があります。
過去の自分に伝えたいことが「よくわからないまま保険を契約するな」だった人間として、今回は同じ轍を踏まないようにします笑。
点検④:教育費――まだ点検不能
ここからが、まだ点検できない項目です。
まず教育費です。
公立に行くのか。
私立に行くのか。
大学に進学するのか。
一人暮らしをするのか。
まだ何もわかりません。
子どもは生後3ヶ月ですから、当然といえば当然です笑。
ただ、相場だけは確認してみました。
文部科学省の訂正後の「令和5年度子供の学習費調査」では、幼稚園3歳から高校卒業までの15年間にかかる学習費は、
- すべて公立:約614万円
- すべて私立:約1,969万円
となっています。
この数字には、学校教育費だけでなく、給食費や塾・習い事などの学校外活動費も含まれています。
さらに大学へ進学する場合、国立大学の標準的な授業料と入学料は、4年間で約243万円です。
したがって、幼稚園から高校まですべて公立で、国立大学へ4年間通うケースなら、単純合計で約857万円になります。
一方、幼稚園から高校まですべて私立で、私立大学の平均的な授業料・入学料・施設設備費を加えると、単純計算で約2,450万円前後になります。
ただし、これらはあくまで粗い目安です。
大学の下宿費、通学費、受験料、教材費、留学費用などは別です。
実際の家計負担は、進路と居住形態によって大きく変わります。
「医学部に行きたい」と言われたら
医師家庭として避けて通れないのが、
「子どもが医学部に行きたいと言ったらどうするか」
という問題です。
国立大学医学部の場合、標準的な授業料と入学料を6年間分単純計算すると、約350万円です。
医学部だから国立大学の授業料が特別に高いわけではありません。
一方、私立大学の医歯系学部では、2025年度の初年度学生納付金の平均だけで約478万円となっています。
6年間の総額は大学による差が非常に大きいため、一律に「いくら」と置くのは難しいです。が6年間で数千万円要すると考えるのがよさそうです笑
寄付金の扱いも大学によって異なるため、家計を点検する際には、志望校ごとに最新の学費を確認する必要がありますね。
少なくとも、国立と私立では全く違う規模の準備が必要になることは確かです。
教育方針に結論が出ない理由
教育費の金額が大きいから決められない、というだけではありません。
そもそも、進学校へ行くことが子どもの幸せなのかという疑問があります。
僕自身、中高一貫校に通わせてもらい、学校生活は楽しく過ごしました。
ただ、成績は非常に悪く、その後も長く劣等感を抱えていました笑。
「良い教育環境に入れること」と「本人が幸せになること」は、単純には同じではない。
それを自分の経験から感じています。
一方で、教育は将来の選択肢を増やす可能性があります。
教育費は長期的に見て価値のある支出だ、という考え方にも納得できます。
難しいのは、教育費が家計の中で聖域化しやすいことです。
「子どものためだから」
と言われると、他の支出と同じ基準で評価しにくくなります。
今の僕の温度感は、
「僕が子どもをこうさせたい」
ではなく、
「子どもがやりたいことを見つけたときに、手助けできたらいいなぁ」
というくらいです。
この考え方は、今後変わるかもしれません。
変わったら、その時点でまた点検しようと思います。
点検⑤:FI目標は動いたのか――これも点検不能
最後に本丸です。
子どもが生まれたことで、FI、つまり経済的自立の目標は遠のいたのか。
答えは、
まだわかりません。
教育方針が決まっていないため、将来必要な金額を計算できません。
今後の住居も決まっていません。
働き方も変わる可能性があります。
医療が今後どの程度、仕事として安定して成り立つかもわかりません。
このあたりは僕の影響の輪の外にある部分も大きく、今の時点で精密な数字を作っても、あまり意味がないと思っています。
受け身のようで恐縮ですが、その都度できることをやっていくしかありません。
ただ、生後3ヶ月時点でひとつはっきりしたことがあります。
今のところ、お金の制約よりも、時間的・空間的な制約の方がずっと強いです。
お金は、現時点ではなんとかなっています。
不足しているのは、時間と睡眠です笑。
FIRE計画というと、資産額や利回りばかりに目が向きます。
でも実際の幸福や自由は、お金だけで決まるものではありません。
子どもが生まれて、そのことを以前より強く感じています。
定期点検の結果
今回の点検結果をまとめます。
| 項目 | 点検結果 |
|---|---|
| 出産費用 | ✅ 一時金でほぼ賄えた。主な持ち出しは個室代 |
| 月々の育児費 | ✅ 現時点ではおむつなど月数千円。ただし3ヶ月時点の暫定値 |
| 特別費 | ✅ 育児関連は増えたが、旅行減少で一部入れ替わった |
| 児童手当 | ✅ 家計全体の資産として受け取る |
| 投資方針 | ⚠️ 方針は変更なし。ただし現金残高は減少しており要観察 |
| 学資保険 | ✅ 現時点では加入しない |
| 教育資金の運用 | ⚠️ インデックス中心。ただし使用時期が近づいたらリスクを下げる |
| 教育費総額 | ⏳ 進路が未定のため計算不能 |
| FI目標への影響 | ⏳ 前提条件が足りず、まだ計算不能 |
半分近くは、まだ結論が出ませんでした。
ただ、それでいいと思っています。
生後3ヶ月で、子どもの教育方針や大学進学まで決めている家庭の方が珍しいでしょう。
「まだ決められない」と確認できたこと自体が、今回の点検の成果です。
次の点検タイミングは、保育園の費用や妻の働き方が具体的になってきた頃でしょうか。
その頃には、現金残高の減少が止まっているといいのですが笑。
FIRE計画は、一度作って終わりではありません。
生活が変わるたびに前提を確認し、決められることだけ決める。
決められないものは、無理に数字を置かずに保留する。
今は、そのくらいの距離感で続けていこうと思っています。
