お金は、貯めるより使う方が難しい。
前回のNISAの記事で、「本当に難しいのは出口だ」と書きました。
今回はその続きで、お金の使い方について書いてみようと思います。
投資や資産形成というと、どう増やすかに目が向きがちです。
何を買うか。
どのくらい積み立てるか。
オルカンかS&P500か。
NISAをどう使うか。
もちろん、それも大事です。
ただ最近感じているのは、お金は貯めるより、使う方がずっと難しいということです。
無駄遣いなら簡単にできます。
でも、自分の幸せにつながる使い方をしようとすると、急に難しくなります。
今回は、これまで自分がお金を使ってよかったもの、逆に失敗だったもの、そしてこれからどう使っていきたいかを正直に書いてみます。
数字に余裕があっても、不安は消えない
FIREを目指すうえで、貯蓄率はかなり大事だと思っています。
収入が多くても、同じだけ使ってしまえば資産は増えません。
一方で、収入がそこまで高くなくても、支出を抑えて投資に回すことができれば、経済的自立には近づきやすくなります。
僕自身、これまで貯蓄率を保つことをかなり意識してきました。
支出を大きくしすぎない。
無理のない範囲で投資に回す。
生活水準を一気に上げすぎない。
そういうことを、比較的優先してきたと思います。
AIと一緒に簡単なライフプランの試算をしたこともあります。
今の方向性を続けていけば、将来的にFI、つまり経済的自立に近づける可能性はありそうだと感じています。
ただ、未来のことはわかりません。
30年後、どこに住んでいるのか。
健康でいられるのか。
仕事は続けられているのか。
医療保険制度は維持されているのか。
自然災害は起きていないのか。
家族の介護や、自分自身の病気はどうなるのか。
不安を書き出すとキリがありません笑。
数字上は大丈夫そうに見えても、人はまた別の不安を見つけてしまうものだと思います。
格言風に言うと、資産額が増えても、不安がゼロになるわけではない、という感じです笑。
人間は生き物として、不安に寄りやすいところがあるのだと思います。
ただ一方で、『ファクトフルネス』に書かれているように、世界全体をデータで見ると改善していることもたくさんあります。
心配しすぎない感覚も、意識して持っておきたいところです。
無駄遣いは簡単、有意義な出費は難しい
問題は、貯めた先でどう使うかです。
無駄遣いなら、すぐにできます笑。
欲しいものを勢いで買う。
セールだから買う。
見栄で買う。
なんとなく便利そうだから買う。
こういう使い方をすれば、お金はあっという間になくなります。
特に見栄のための出費は、際限がない気がしています。
いい家に住む。
いい装飾品を身につける。
いい車に乗る。
それ自体が自分の幸せにつながるなら良いと思います。
ただ、他人に見せるため、他人と比べるために買い始めると、終わりがありません。
いい車の次は、クルーザーやプライベートジェットが必要になるかもしれません笑。
もちろん僕は、そんな次元にはいませんが笑。
大事なのは、自分にとって有意義に使えているかだと思います。
この基準で考え始めると、お金を使うことは急に難しくなります。
本当に自分の幸せにつながっているのか。
一時的な満足で終わらないか。
買った後も、その価値を感じ続けられるのか。
そう考えると、意外と買わなくてもいいものが多いことに気づきます。
ミニマリスト的な発想に近いかもしれません。
僕はそこまで断捨離ができているわけではありません。
家の中には、昔もらったカバンやプレゼントなど、「捨てるのはもったいないけれど、ほとんど使っていないもの」も普通にあります笑。
ただ、新しくものを買うときの考え方は、少し変わりました。
安いからという理由だけでは買わなくなりました。
「買う理由が値段なら、やめておく」
最近は、この感覚をかなり大事にしています。
セールだから買うのではなく、自分にとって必要だから買う。
安いから買うのではなく、満足度が高そうだから買う。
この習慣がついたことで、無駄遣いはかなり減った気がします。
一番有意義だったのは、やっぱり旅行でした
では、これまで何にお金を使ってよかったか。
振り返ると、断トツで旅行です。
特に仕事を始めてから、奥さんと行った旅行はどれも良い思い出になっています。
一番温かい気持ちになるのは、新婚旅行のスロベニア・クロアチアツアーです笑。
非日常感が強く、今思い出しても本当に良い時間だったなと感じます。
ほかにも、大分のフェリー旅行、滋賀の湖北、伊勢、長島温泉、鳥取の米子温泉、島根の松江城、勉強会ついでの東京旅行など、いろいろな旅行が思い出に残っています。
旅行中の細かい記憶は、少しずつ薄れていくと思います。
それでも、ふとしたときに思い出すと、今でも幸せな気持ちになります。
旅行の記憶は、時間が経っても「思い出の配当金」として受け取り続けられるものだと思っています笑。
お金を使ったのは過去の一時点です。
でも、その体験が何年も先まで、少しずつ心にリターンを返してくれる。
そう考えると、体験への出費はかなり有意義だったと感じます。
本も、人生を変える出費でした
本もかなり良い出費だったと思います。
中学生・高校生の頃は、ゲームばかりしていて、読んでいたとしてもライトノベルくらいでした笑。
でも大人になってから、お金、仕事、人生、幸福、社会、医療制度など、いろいろな本を読むようになりました。
本を読んだことで、お金への考え方が変わりました。
仕事との向き合い方も変わりました。
人生で何を大切にしたいかを考えるきっかけにもなりました。
物語にじんわり感動することもあります。
一冊の本で人生が劇的に変わる、というほど単純ではないかもしれません。
それでも、本はかなりコスパの良い出費だと感じています。
今でも、本の購入はあまりためらわないようにしています。
もちろん、買っただけで積んでいる本もありますが笑。
移動にお金を使う価値も感じるようになりました
昔は、移動にお金をかけることに少し抵抗がありました。
同じ目的地に着くなら、安い席でいいのではないか。
ビジネスクラスなんて贅沢すぎるのではないか。
そう思っていた時期もあります。
でも、最近は少し考え方が変わりました。
新幹線のグリーン車。
近鉄特急ひのとりの一番良い席。
新婚旅行のビジネスクラス。
こういった移動への出費は、かなり満足度が高かったです。
特に新婚旅行のビジネスクラスは、ツアー料金がそれだけでかなり上がりました。
正直、かなり勇気のいる選択でした笑。
でも今振り返ると、その価値はあったと思っています。
長時間の移動がかなり快適になり、旅行の始まりから特別感がありました。
移動は単なる移動ではなく、旅の一部なのだと感じました。
この感覚は、ロードスターにもつながっています。
ロードスターも、買ってよかったものです
ロードスターも、買ってよかったものの代表です。
もちろん、車としては実用性が高いわけではありません。
2人しか乗れませんし、荷物もたくさん積めるわけではありません。
今は子供が生まれたこともあり、以前ほど乗れていません。
それでも、あの時期にロードスターを買ってよかったと思っています。
奥さんとロードスターでいろいろな場所へ行きました。
大分のフェリー旅行もそうですし、普段の日帰りカフェも楽しい時間になりました。
三田や龍野にもよくドライブに行きました笑。
別の車でも旅行はできたと思います。
でも、ロードスターがあったことで、移動そのものが思い出になりました。
オープンにして走る時間。
少し遠くのカフェまで行く休日。
旅行先で撮った写真。
そういうものが、日常を少し特別にしてくれました。
これも、思い出の配当金を生んでくれる出費だったと思います。
当直並みにしんどかった、ソロキャンプの失敗
逆に、「これは無駄遣い寄りだったかもしれない」と思うものもあります。
その代表が、キャンプグッズです笑。
コロナ禍の閉塞感があった時期に、『ゆるキャン△』というキャンプアニメに影響されました。
高校生の女の子たちが、自然の中でゆったりキャンプを楽しむ。
一人でキャンプに行ったり、友達と行ったりする。
あの雰囲気にかなり惹かれました。
キャンプブームの雑誌も読み込んで、だんだん熱が高まっていきました。
一時はキャンピングカーまで本気で検討していました。
今思うと、買わなくてよかった気がします笑。
実際に、佐用町のキャンプ場へ一人で行ったことがあります。
結論から言うと、病院で当直したくらいしんどかったです笑。
初めてのテント設営。
慣れないノコギリでの薪割り。
焚き火。
BBQの準備。
暗くなってからの調理。
一人での片付け。
やりたいことを詰め込みすぎました。
夜は、隣のグループの音や風の音が気になり、なかなか眠れませんでした。
寝具の寝心地もあまりよくありませんでした。
さらに、隣の家族のキャンプが本格的すぎて、自分が見劣りしているように感じました。
「自分は何をやっているんだろう」
と、少し虚しくなりました笑。
朝のコーヒーと、前夜に作った豚汁の残りは美味しかったです。
そこは良かったです笑。
ただ、性格的にソロキャンプは合っていなかったのだと思います。
結局、それきりキャンプには行っていません。
道具一式は、災害時に役立つかもしれないと思って捨てられず、今も眠っています。
教訓としては、いきなり全部そろえず、少しずつ試せばよかったということですね笑。
子供が生まれてからは、時間を買う意識が強くなりました
子供が生まれてからも、お金の使い方の優先順位が大きく変わったわけではありません。
必要なものは買う。
普段は無駄遣いしない。
満足度の高いものには使う。
このスタンスは基本的に同じです。
ただ、自分の時間を空けるための出費は、以前より意識するようになりました。
たとえば、電動ゆりかごを買いました。
寝かしつけが少しでも時短できればと思ったからです。
ただ、現時点では本人があまり好きではないようで、ほぼ物置になっています笑。
これは少し失敗寄りかもしれません。
一方で、週1回のおかず配達はかなり助かっています。
料理を作る手間が減り、時間の余裕が少し生まれます。
もちろん、できたての料理の方がテンションは上がります。
全部をチンだけで済ませることには、個人的に少し抵抗もあります笑。
それでも、子育て中は時間がかなり貴重です。
時間を買うという発想は、子供が生まれてからより強くなった気がします。
DIE WITH ZEROは理想だけど、難しい
『DIE WITH ZERO』の考え方には、かなり共感しています。
死ぬときに資産を最大化するのではなく、生きている間に経験へお金を使う。
人生の中で、その時期にしかできない体験にお金を使う。
この考え方は、とても魅力的です。
ただ、実践はかなり難しいとも感じています。
理由は単純で、いつ死ぬかわからないからです。
長生きするかもしれない。
病気になるかもしれない。
家族にお金が必要になるかもしれない。
制度や物価も変わるかもしれない。
そう考えると、資産を減らしていくことにはどうしても抵抗があります。
貯蓄を頑張ってきた人ほど、資産を取り崩すことに抵抗を覚えるのではないかと思います。
僕もその例に違いません笑。
なので、今の自分としては、貯めつつ、しっかり使っていくというバランスで考えています。
貯まりきってから使うのではなく、貯めている途中の今から、無駄遣いをしない範囲で満足度の高い使い方をしていく。
そして時には、冒険的な出費もしてみる。
普段は手を出さない文化、芸術、音楽、新しい趣味。
一見無駄に見えても、触れてみるとハマるものがあるかもしれません。
そういうものに少しずつお金を使っていきたいと思っています。
普段の食事でも、小さなグレードアップは意識するようになりました。
たとえば、豆腐を外国産大豆のものから国産大豆のものに変えるとか笑。
小さすぎる話ですが、こういう満足度の上げ方も大事なのかなと思っています。
使うマインドに変える練習
『つみたて投資の終わり方』という本には、投資信託をどう使っていくかという話が書かれていました。
貯蓄や投資の意識が高い人ほど、使うことに罪悪感を覚えやすい。
だから、定年退職の5年前くらいから、増やすマインドから使うマインドに少しずつ切り替えていく。
複雑なポートフォリオをシンプルにする。
少額からリスク資産を解約してみる。
定率で取り崩す。
安全資産とリスク資産の比率を保つ。
理屈としては理解できます。
ただ、実際にやるのはかなり難しそうです笑。
投資信託を売ることに、かなり心理的な抵抗がありそうです。
それでも、いつかは使う必要があります。
お金は、持っているだけでは人生を変えてくれません。
使って初めて、時間や体験や安心に変わります。
このあたりは、これからも少しずつ考えていきたいテーマです。
お金を上手に使うことは、一生の課題かもしれない
お金を貯めることも簡単ではありません。
でも、自分にとって本当に有意義に使うことは、それ以上に難しいのかもしれません。
旅行や本、ロードスター、移動のグレードアップは、かなり満足度の高い出費でした。
一方で、キャンプグッズのように、合わないものにお金を使ってしまうこともあります。
ただ、それも完全な失敗ではなかったのかもしれません。
ソロキャンプが自分に合わないことがわかった。
キャンピングカーを買わなくてよかったと思えた。
災害時の備えとして道具が残った。
そう考えると、多少の失敗も含めて、経験なのだと思います。
これからも、無駄遣いはなるべく避けたいです。
でも、節約しすぎて、自分の幸せにつながる体験まで逃してしまうのは避けたいです。
貯めながら、使う。
守りながら、試す。
安心を作りながら、思い出も作る。
そんなバランスを、少しずつ探していきたいと思っています。
DIE WITH ZEROも、また改めて読み返そうと思います。
お金を上手に使うことは、たぶん一生かけて学んでいくテーマなのだと思います。

